権太夫大神さんのお詣りの仕方はほかの神社と同じで問題ないそうです。拝所で二礼二拍手一礼で手を合わせます。下の奥村亭でろうそくを買って灯すとなお良いようです。お供物も扱っていますが、初めてのときはろうそくだけで十分かと思います。
参拝する時間帯は午前中が良いとされています。遠方からの参拝で到着が正午を回ってしまった場合もお昼くらいなら大丈夫ですが、夕方や夜詣りは避けたほうが良いようです。参拝中に周りから人がいなくなったり、鳥が覗き込みにきたり、風が吹いたりしたら神様から歓迎されているなんて言いますね。お天気は晴れなら最高ですが、もし雨でも、浄化の雨、溜まった穢れ(けがれ)を落としてくれる禊(みそぎ)の雨と思って、神様に歓迎されていると考えれば足取りも軽くなります。
そして何より大切なのがお礼参りです。願い事を叶えてもらったら必ずお礼参りに行きましょう。格の高い神様ですから礼節を重んじることが大切です。ありがとうございましたときちんとお礼をしに行けば、また願いを叶えて下さることでしょう。
稲荷山の鳥居の数を見れば願いが叶った人や企業・団体がどのくらいいるか分かります。稲荷山の神々は長い間この地で五穀豊穣と商売繁盛、人々の願いを叶えて来たのです。また祠の数からも想像できるように、日本中にたくさんの信者さんがいて月詣りに訪れています。最近は信者さんの高齢化が進み、誰もお掃除や手を合わせに来なくなった祠もあるようですが、そういった事実も含め今も昔も信仰が人々を支えてきたことに感動します。
その昔、天候不順で作物の不作が続いたとき、医学がなかったとき、人々の祈りはこの稲荷山が一手に引き受けて来ました。その歴史長き背景を考えると畏敬の念を抱かずにはいられません。
また稲荷山は先にも書いた通り、修行の山でもあるため現在でも霊能者の方が修行に訪れます。能力をより強く磨くことができるからだそうです。その中でも御膳谷に祠をたくさん作られた砂澤たまゑ先生は生前、いくつかの奇跡を起こして来られました。著書の中でもその出来事にも触れています。稲荷山はやはり昔から人々を災いから救って来た奇跡の山と言えるでしょう。
生きていれば誰にでも、最近うまくいっていない、親戚や家族を含め病気やケガが多い、もしかして人から恨まれたのかも?と考えることがあります。こちらは何ひとつ悪いことをしていない場合でも、一方的に怒りの念を向けられることもあるから人生は厄介です。
そんな時は神社に行ってみましょう。特にお稲荷さんはご加護が強く、人間とは近しい存在ですので人が置かれている苦しい立場を理解してくれます。つらい状況を理解し、さっとあなたを窮地から救ってくださるので、おかしいな?と思ったらぜひお稲荷さんにお詣りに行くようにしてみてください。
そして助けていただいたら必ずお礼参りに行けば「律儀な人間だなあ」と信用を得てまた守っていただけるようになります。こういう話は理屈ではなく、本当にそう思うという方はすぐに行動に移せます。いつ、誰と?なんて考えず、もし今必要だと思ったらすぐに行動してみましょう。きっと権太夫さんなら話を聞いてくださいます。
オダイ(霊能者)砂澤たまゑ先生の体験談がまるまる詰まった貴重な一冊。幼少期から戦前戦中戦後と、勘の鋭さで危険を回避しながら生き抜き、一人の男性と結婚、3人の子供の母親になった話など霊能者として母として生きる姿が体験談として描かれています。
長年ネット上で一冊7万円のプレミアム価値のついた本でなかなか手に入らない幻の一冊でしたが、この度増補改定版として出版されました。晩年は伏見稲荷の御膳谷にお塚を複数つくられ人々に惜しまれながら亡くなりましたが、亡くなって数十年経った今でも語り継がれる伝説の霊能者です。
内藤憲吾さんの砂澤たまゑについての集大成ともいうべき一冊。「お稲荷さんと霊能者」「霊能一代」との重複があるのでこの一冊だけでもだいたいのことがわかります。砂澤先生の霊能者としての生きざまから晩年、霊能力が衰え当たらなくなった話まで生涯を通じた話がドキュメントとして掲載されています。
相談者から持ち掛けられる原因不明のトラブルを神様を通じて突き止めて行くオダイさんの苦悩と感性の素晴らしさも描かれており、これを読めば砂澤たまゑさんの人間的魅力が十二分に感じられます。
霊能者である砂澤先生はかつて人々から原因不明の病気の相談を持ちかけられる事が多かったようです。その精度を上げるには稲荷山で断食や滝修行やお塚詣りをすることが必要で何時間もかけてお塚の前で座り込み、神様に問いかけることもあったそうです。
この本は砂澤先生に見染められた、当時、霊脳のことは何も知らない内藤さんの素朴な視点が面白いです。稲荷山での修行に立ち会い、目にした不思議な話や奇跡の体験談も掲載されています。稲荷山参拝に一度は来たことのある人なら位置関係がよくわかって面白さ倍増です。